海外の業界ニュースを、自分専用のPodcastにする仕組みを作った話
エンジニアの業界は、英語ソースを追えるかどうかで情報の量が桁違いに変わります。とはいえ、毎朝Hacker NewsとTech Crunchを読む時間は現実的にない。ということで、英語ニュースを Claude で日本語に要約・解説して、AI音声で個人のPodcastアプリに配信する仕組み(Daily Brief)を作りました。移動時間で業界アップデートを浴びる、という発想です。
きっかけは「読みきれない」という諦め
もともと、英語ソースを継続的に追うことには何度も失敗してきました。RSSリーダーに登録して頑張って読もうとして、3週間で挫折する、というのを5回ぐらい繰り返している。テキスト翻訳ツールを使っても、結局「読む時間がない」が解決しません。
ある時、NotebookLM の Audio Overview を試して気づきました。音声にすると「ながら聴き」できる。移動・運動・家事の時間に消費できる。これが解だ、と思いました。NotebookLMでも良かったのですが、「自分が選んだソース」「自分が好きな長さ」「定期配信」が欲しくて、自前で組むことにしました。
パイプライン構成
構成はシンプルです。RSS から記事や音声を取得する。Claude で日本語の解説原稿に変換する。TTS(音声合成)で音源化する。RSSフィードに乗せて、個人のApple PodcastsやSpotifyから購読できるようにする。
コスト面では、1日1エピソード(15分の解説音声)で Anthropic API が約 $0.05、TTS は無料で運用しています。月に2ドル前後。本を1冊買うより安く、業界の最新動向を毎朝浴びれる環境ができました。
いちばん大事だったのは「翻訳しすぎない」こと
やってみて分かったのは、機械的な翻訳は聴くに耐えないということです。英語の構文をそのまま日本語に置き換えると、不自然で集中できません。原文を「ベース情報」として読み込ませて、「日本人エンジニアが同僚に説明する口調」で書き直してもらうプロンプトに辿り着きました。
もう一つは、Claudeに「論点を3つに絞って」と明示することです。1記事を15分で解説する場合、ぼんやり全体を訳しても残りません。「業界へのインパクト」「技術的な工夫」「自分たちの仕事に何が影響するか」の3つに絞ると、聴き終わって「なるほど」が残る音源になります。
運用して分かったこと
想定していなかった効果が一つあって、社内の議論で「あの話、聞いた?」と話題が出るようになったことです。同じソースを聴いていると、情報の前提が揃うので、議論のスタート地点が高くなる。海外ソースを追える人と追えない人の認知ギャップが小さくなりました。
一方で、法的整理は最初から厳しく行いました。NPRやBBCのような番組は翻訳権・公衆送信権が絡みます。セルフサービス型(ツールは公開、生成物は個人帰属)として運用することで、再配布リスクを排除しています。公開ライブラリ機能は意図的に作っていません。